骨髄液が使われる【骨髄移植】とは・・・。 | 【一宮市本町の整体マッサージ】アトラス整体院
競泳選手の池江璃花子選手が告白して話題となっている「白血病」や、「重症再生不良貧血」、「先天性免疫不全症」など、造血器である骨髄に機能障害がある場合の治療として、【骨髄移植】があります。
骨髄と聞くと、「骨を移植する」と勘違いをしてしまいそうですが、移植に使われるのは【骨髄液】です。
異常細胞がひしめいていたり、造血機能が低下しているレシピエント(提供を受ける者)に移植するのですが、レシピエントの免疫が残っていると、ドナー(提供者)の細胞が生着出来ないため、「骨髄に残っている細胞を抗がん剤で全滅させて(造血機能の破壊)から、健康なドナーの骨髄液を入れる」という流れになります。
正常な骨髄の移植によって、造血器の回復を図る治療法ですが、臓器移植とは違うので、【悪い骨髄全体を摘出する】という訳にはいきません。
「骨髄穿刺」という作業で、骨に針を刺して骨髄液を抜き取るという事は出来ますが、すべての骨髄は取りきれません。
そこで使われるのが、【大量の抗がん剤】です。
白血病などの化学療法としても投与される抗がん剤ですが、副作用として「骨髄抑制」が出るため、骨髄に大きなダメージを与えてしまいます。
通常の化学療法では、骨髄がある程度残存する量のみを投与しますが、【骨髄移植の前には、骨髄が全滅するような大量の抗がん剤を投与】します。
他にも、全身に放射線照射をすることで、骨髄の全滅を狙います。
これらの移植前処置を、約1週間かけて行いますが、週の後半では骨髄抑制をきたしているので、「無菌室」に入ることになります。
移植前には、免疫抑制剤を併用してドナーの骨髄を受け入れやすくもしていきます。
骨髄移植は、輸血と同じように点滴で骨髄液を血管内に入れていき、血流に乗って全身の骨の中の骨髄へと巡らせます。
体内に入ったドナーの骨髄液が、新たな骨髄として増殖を始めるのですが、造血機能が回復するまでは、毎日血液検査を行って「全身管理を徹底」、必要に応じて赤血球や血小板の輸血も行われます。
ちなみに、ドナーは誰でも良いという訳ではなく、【骨髄移植ではレシピエントとドナーの間で、白血球の型(HLA:ヒト白血球抗原)が一致している】事が重要になります。
HLAは、血縁関係のない場合では「数百人~数万人に一人」と言われる位低い確率ですが、【兄弟間では適合率は25%】になるそうです。
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