抗ウイルス剤の仕組みは!?
よく間違われてしまいますが、実は、ウイルスに対して「抗生物質」は効果はありません。
身体がウイルスと戦うには、【人間の免疫】か、あるいは【ワクチン】しかありませんでした。
そこで、各製薬会社がしのぎを削り、「ウイルスをやっつける」タイプの薬の開発競争が勃発しました。
そして誕生したのが、【抗ウイルス剤】です。
抗ウイルス剤には【2種類のタイプ】があり、一つは、「ウイルスのHの突起を抑える」タイプの抗ウイルス剤、もう一つは、細胞に入った後で「破裂して飛び出していくNの突起を抑える」タイプの抗ウイルス剤です。
この「突起を抑える」と「破裂して飛び出すのを抑える」という2種類が考えられ、研究されていました。
しかし、ウイルスの外殻に有るこの【H】という突起が曲者で、「毎年どんどん姿を変化」させていきます。
そのため、せっかく発見されたウイルスのHを抑える抗ウイルス剤を作っても、「ウイルスが変異してしまうと、その翌年には効果がなくなってしまう」のです。
ところが、もう一つの【中に入って増殖した後に破裂して、外に飛び出すN】については、それほど変化しないことが分かっていましたから、「Nの働きを抑える」という抗ウイルス剤をつくったところ、これが見事に上手くいったのです。
それが【タミフル】であり、【リレンザ】ということになります。
タミフルは、「リン酸オセルタミビル製剤」の商標名になります。
<tamiflu>の語源となっている薬品名の由来は、<Oseltamivir(リン酸オセルタミビル)>の<tami>と<influenza(インフルエンザ)>の<flu>の掛け合わせで出来た造語として、<tamiflu>になりました。
もう一つのリレンザは「ザナミビル」の商品名となります。
それぞれ別の製薬会社が作っていますが、
タミフルは【飲み薬】、
リレンザは【特殊な吸入器を使っての吸引】
です。
ちなみに、タミフルでは服用後効き始めるまでに3~4時間かかりますが、リレンザでは患部の喉に直接薬剤を吹きつけるので即効性があり、「15秒で効き始める」と言われています。
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