3つの顔を持つ、「膠原病」は・・・。
膠原病は、
臨床的には「リウマチ性疾患」、免疫学的には「自己免疫疾患」、病理組織学的には「結合組織疾患」
にそれぞれ分類されます。
つまり、膠原病は「3つの異なる顔をもっている病気」と言えるのです。
まずは一つ目の顔の【リウマチ性疾患】ですが、身体を動かす器官、
すなわち「運動器(関節、筋肉、骨、靭帯、腱など)の痛みと強張りを症状とする病気」の総称です。
関節を構成しているのは、骨や軟骨、滑膜、筋肉、靭帯などですが、
そのいずれかに炎症が起こっても、「関節が痛い」と感じてしまいます。
膠原病の患者さんの多くも「関節の痛み」を訴えますし、多くの場合「関節炎」を伴うので、リウマチ性疾患のなかに分類されます。
リウマチ性疾患を病因別にみてみると、
①免疫異常(SLEなどの自己免疫疾患)
②感染症(細菌性関節炎など)
③内分泌、代謝異常(痛風、偽痛風など)
④腫瘍(多発性骨髄腫、肥大性骨関節症など)
⑤退行変性(変形性関節症など)
⑥遺伝的素因の関与(強直性脊椎炎など)
⑦遺伝子異常(マルファン症候群など)
⑧外傷(外傷性関節炎症など)
⑨炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎など)
⑩アレルギー
などに大別されます。
このなかで患者さんの数が圧倒的に多いのが、男性では【痛風】、女性では【変形性関節症】となります。
二つ目の顔となる【自己免疫疾患】ですが、これは「からだが、自分の【身内】をも異物と認めてしまう」ために、
【身内】を攻撃する抗体(自己抗体)や、【身内】を攻撃するリンパ球(自己感作リンパ球)が出来てしまい、
「同士討ち」を起こしてしまうのです。
つまり、身体のなかで「クーデター」が起こっている様なものです。
最後に、三つ目の顔となる【結合組織疾患】ですが、
膠原病は「血管と結合組織に炎症がおこる病気」と考えられています。
血管も広い意味では結合組織のなかに入りますので、「膠原病の病変がおこる主たる場所は結合組織である」と言えます。
アメリカでは膠原病のことを「結合組織病(connective tissue diseases)」と呼んでいます。
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