免疫機能の暴走!?【サイトカイン・ストーム】
ウイルスや細菌などが体内に入ると、人間の免疫機能が働き出します。
その時に身体は免疫システムを機能させるため、白血球から「サイトカイン」というたんぱく質を放出して、「免疫力が働くように命令を伝達する」のです。
ですが、免疫力のある若い人では、時々、
「免疫機構が暴走して、本人の身体を攻撃してしまう」
ことがあります。
これを「サイトカイン・ストーム(過剰産生)」と言います。
それはどういうことかと言いますと、「免疫が働き過ぎて、自分の細胞を破壊してしまう」事になります。
簡単に言うと、【一種のアレルギーのようなもの】です。
第一次世界大戦のときに大流行したスペイン風邪では、若い兵士が多数感染し、そして死亡してしまいました。
免疫力が強いはずの若者たちがなぜ多数死亡してしまったのかが長い間謎だったのですが、もしかしたらこの「サイトカイン・ストームが起きてしまったからではないか」とも考えられています。
2002年~3年にかけて猛威を振るったSARS(重症急性呼吸器症候群)は中国から発生し、隣国を巻き込む形で感染が拡がり、また多数の死者も出しましたが、このときも若い人に症状が悪化するケースが多く現れていました。
WHOの推定では約8000人以上が感染し「775人が死亡する」という、【死亡率約一割】の恐ろしい病気でしたが、これも「サイトカイン・ストームが起きたのではないか?」とも言われています。
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